経理・税務ガイド

理容室(バーバー)の年間税務カレンダー【2026年版】

申告前提

個人事業主・12月決算を前提

月別イベント

20

理容室(バーバー)を経営する個人事業主の皆様、日々の施術や接客に加えて、経理や税務の管理は非常に重要です。この年間税務カレンダーは、2026年に理容室経営者が対応すべき主要な税務イベントを月別にまとめました。確定申告、消費税申告、源泉所得税の納付、償却資産申告など、理容所特有の固定資産や消耗品(カミソリ替刃、ポマードなど)の経費計上ポイントも踏まえ、年間を通してスムーズな税務処理をサポートします。

1月

年末年始の繁忙期を終え、売上と経費の集計を始める時期。確定申告に向けた準備のスタートです。

最重要

前年分の法定調書提出

従業員への給与支払いや報酬があった場合、前年分の法定調書(給与支払報告書など)を税務署へ提出します。

1月31日税務署
給与支払報告書報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
最重要

償却資産申告書の提出

理容椅子、シャンプー台、紫外線消毒器、内装造作など、事業用の固定資産(土地・家屋以外)の保有状況を申告し、償却資産税の課税対象を確定します。

1月31日市区町村

高額な理容椅子やシャンプー台なども対象となるため、漏れなく計上しましょう。

償却資産申告書

2月

確定申告の準備に集中する時期。閑散期を利用して、年間計画の見直しや設備点検を検討しましょう。

最重要

所得税確定申告の準備

2月16日から所得税確定申告の受付が始まります。前年分の所得税確定申告書の作成を本格的に開始し、帳簿の最終確認と必要書類の収集を進めます。

3月15日(提出開始は2月16日頃)内部管理
青色申告決算書収支内訳書控除証明書
重要

インボイス制度対応の確認

仕入れ先である理容ディーラーからの請求書が適格請求書であるかを確認し、インボイス制度における仕入税額控除の要件を満たしているかチェックします。

通年で確認税務署(申告時)
適格請求書

3月

今月

新生活に向けたフェードカットやパーマの需要が高まる時期。確定申告を終え、新たな年度の経理体制を整えましょう。

最重要

所得税確定申告

前年分の所得税確定申告書を税務署に提出し、所得税を納税します。青色申告者は青色申告決算書も添付します。

3月15日税務署
所得税確定申告書青色申告決算書
最重要

消費税申告

消費税の納税義務がある場合(課税事業者)は、前年分の消費税確定申告書を提出し、消費税を納税します。

3月31日税務署
消費税確定申告書

4月

新年度が始まり、新しいお客様が増える時期。新規顧客獲得のための広告宣伝費の予算を見直しましょう。

この月の主要な税務イベントはありません。

5月

ゴールデンウィーク明けは少し落ち着く傾向。年間収支の中間確認を行い、資金繰りを見直しましょう。

重要

帳簿付けと領収書整理の継続

毎日の取引を正確に記帳し、領収書や請求書を整理する習慣をつけましょう。特に材料費や消耗品費は細かく記録します。

通年で実施自己管理

カミソリ替刃、シェービングフォーム、パーマ液、ポマードなどの仕入れを忘れずに。

6月

梅雨時期は来店数が不安定になりがち。店販商品の仕入れ計画や在庫の確認に適しています。

重要

住民税の納税通知書確認

前年分の所得に応じた住民税の納税通知書が、各自治体から届きます。納付方法や金額を確認しましょう。

通知書に記載市区町村

上半期の売上・経費の確認

上半期(1月〜6月)の売上と経費を大まかに確認し、年間目標に対する進捗や今後の経営戦略を検討します。

6月末自己管理

7月

夏に向けてクールシャンプーやスカルプケア用品などの仕入れを検討する時期。従業員がいる場合は、給与計算と源泉徴収に注意。

最重要

源泉所得税の納付(納期特例)

従業員を雇用している場合、1月〜6月分の源泉所得税をまとめて納付します。納期特例を利用していない場合は毎月納付が必要です。

7月10日税務署
所得税徴収高計算書
最重要

労働保険の年度更新

従業員がいる場合、労働保険料(労災保険・雇用保険)の年度更新手続きを行い、保険料を納付します。

7月10日労働基準監督署、ハローワーク
重要

所得税の予定納税(第1期)

前年分の所得税額が多い場合、税務署から予定納税額の通知が届きます。通知された金額を納付します。

7月31日税務署

8月

お盆休みなどで一時的に来店が減少する可能性。内装や設備の軽微な修繕、バリカンの研磨などメンテナンスの計画を立てるのも良いでしょう。

固定資産台帳の確認

理容椅子やシャンプー台、内装造作などの固定資産台帳を確認し、減価償却の進捗状況や資産の状態を把握します。

定期的に確認自己管理

高価な理容機器のメンテナンス計画と合わせて確認しましょう。

9月

秋のイベントに向けてヘアケア用品の販売強化を検討。理容ディーラーからの仕入れ請求書が適格請求書か確認しましょう。

重要

インボイス制度における仕入れ税額控除の確認

理容ディーラーや備品卸業者からの仕入れについて、適格請求書の保存状況を再確認し、仕入税額控除の要件を満たしているかチェックします。

通年で確認自己管理

特に高額な薬剤や店販商品の仕入れは注意が必要です。

10月

冬に向けた準備を始める時期。暖房費や電気代が増加傾向にあるため、水道光熱費の管理に注意しましょう。

重要

所得税の予定納税(第2期)

所得税の予定納税がある場合、第2期の納付期限です。通知された金額を忘れずに納付しましょう。

10月31日税務署

11月

年末の繁忙期に向けて、薬剤やスタイリング剤などの材料、カミソリ替刃などの消耗品の在庫を確保しましょう。

重要

年末調整の準備

従業員を雇用している場合、年末調整の準備を開始します。従業員からの各種控除証明書(保険料控除、住宅ローン控除など)を収集します。

11月中旬から税務署(提出)
扶養控除等申告書保険料控除申告書

年末の棚卸計画

年末の店販商品、薬剤、消耗品(カミソリ替刃など)の棚卸計画を立てます。正確な期末在庫の把握は、正確な利益計算に不可欠です。

12月末までに実施自己管理

12月

年末は一年で最も忙しい時期の一つ。年内の売上・経費の集計を意識し、翌年の確定申告に備えましょう。店販商品の売れ行きも好調な傾向です。

最重要

年末調整の実施

従業員を雇用している場合、1年間の給与所得に対する所得税を精算する年末調整を実施します。

12月31日税務署
源泉徴収票
重要

個人事業税の事業開始等申告書提出

新規開業の場合、事業開始から15日〜1ヶ月以内に都道府県税事務所へ「個人事業税の事業開始等申告書」を提出します。

開業から15日〜1ヶ月以内都道府県税事務所

次年度の事業計画と資金計画の策定

年間の売上と経費を振り返り、次年度の事業計画や資金計画を策定します。設備投資や人材育成の予算も検討しましょう。

年末まで自己管理

年間まとめ

理容室経営における年間税務は、確定申告を軸に、定期的な源泉所得税納付や償却資産申告が主なタスクです。高額な理容椅子や内装工事費などの固定資産の減価償却、カミソリ替刃や薬剤などの消耗品・材料費の適切な仕訳が重要となります。インボイス制度対応も必須。年間を通じて計画的に記帳を進め、事業に集中できる環境を整えましょう。

確定申告に向けた準備スケジュール

1

年間の収支を大まかに把握し、不足している領収書や請求書がないか確認します。特に固定資産の購入履歴を整理しましょう。

2

帳簿付けを完了させ、売上や経費の集計を始めます。棚卸資産(店販品、薬剤など)の実地棚卸もこの時期に行いましょう。

3

確定申告書作成に必要な書類(控除証明書、保険料控除申告書など)を準備し、不明点があれば税理士に相談します。

4

作成した確定申告書の内容を最終確認し、e-Taxでの提出準備や印刷を行います。

プロのアドバイス

  • 高額な理容機器の減価償却: 理容椅子、シャンプー台、内装工事などの初期投資は、10万円(青色申告なら30万円)以上のものは固定資産として減価償却が必要です。誤って全額消耗品費にしないよう注意しましょう。
  • カミソリ替刃や薬剤の在庫管理: シェービングサービスやパーマ・カラー剤に使用するカミソリ替刃や薬剤は、期末に未販売・未使用分があれば棚卸資産として計上し、正確な材料費を算出してください。
  • 理容ディーラーからのインボイス保存: シャンプー、ポマード、ワックスなどの商材を仕入れる際、理容ディーラーから受け取る適格請求書は必ず保存し、仕入税額控除に備えましょう。
  • 修繕費と資本的支出の区別: バリカンの刃研ぎや設備の小規模な修理は修繕費ですが、理容椅子の大幅な機能改善や店舗の大規模改装は資本的支出となり、減価償却が必要です。判断に迷う場合は税理士に相談してください。
  • 従業員雇用時の届出漏れ防止: アシスタントや理容師を雇用した際は、「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に、「労働保険関係の届出」を労働基準監督署等に速やかに提出してください。

免責事項:この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。