経理・税務ガイド

ゲストハウスの年間税務カレンダー【2026年版】

申告前提

個人事業主・12月決算を前提

月別イベント

25

ゲストハウス経営者の皆様、年間を通じて多くのゲストを迎え入れる中で、税務のスケジュールを把握することは非常に重要です。特に簡易宿所営業では、OTA手数料、清掃・リネン費用、インバウンド対応に伴う経費など、一般的な事業とは異なる会計処理や注意点があります。この年間税務カレンダーでは、個人事業主のゲストハウス経営者が押さえるべき主要な申告・納付期限を月別にまとめました。適切な時期に準備を進め、安心してゲストハウス運営に集中できるよう、ぜひご活用ください。

1月

年末年始の繁忙期を終え、閑散期に入るゲストハウスも多い時期です。この期間に施設の清掃やメンテナンス計画を立てやすいでしょう。

最重要

前年分の法定調書合計表等の提出

前年中に支払った給与や報酬に関する法定調書(給与支払報告書など)を税務署に提出します。ゲストハウスでは、業務委託の清掃員やリネン業者への報酬も対象となる場合があります。

1月31日税務署・市町村

業務委託で特定のサービス(清掃、リネン、送迎など)を利用している場合、支払い調書の提出が必要か確認しましょう。

給与所得の源泉徴収票報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
重要

償却資産税の申告

土地・建物以外の事業用資産(ベッド、厨房設備、消防設備など)について、所在地の市町村に申告します。固定資産税の一部として課税されます。

1月31日市町村役場

ゲストハウスの備品(家具、家電、PMSソフトウェアなど)も申告対象です。取得価額10万円以上のものが該当します。

償却資産申告書
重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

ゲストハウスのフロントスタッフや清掃スタッフを雇用している場合に発生します。外国人スタッフの源泉徴収にも注意が必要です。

所得税徴収高計算書

2月

冬の閑散期が続く地域が多い時期です。春の旅行シーズンに向けたプロモーションやOTA掲載情報の見直しを行う良い機会です。

最重要

所得税確定申告の準備

前年分の所得税確定申告書の作成を本格的に開始します。会計帳簿の確認、必要書類(領収書、請求書、通帳記録など)の整理を進めましょう。

3月15日まで税務署

OTAからの手数料明細やリネンサプライ、清掃業者からの請求書は、経費計上の重要な証拠となります。インボイス対応も確認しましょう。

各種控除証明書医療費の領収書
重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

月次納付の場合、給与計算と連動して忘れずに対応しましょう。

所得税徴収高計算書

3月

今月

春休みやゴールデンウィーク前の予約が入り始める時期です。スタッフ配置やゲスト用備品の準備を強化するタイミングです。

最重要

所得税確定申告書の提出と納税

前年分の所得税確定申告書を税務署に提出し、所得税を納付します。青色申告の場合は最大65万円の特別控除を受けられます。

3月15日税務署

ゲストハウスの売上は「事業所得」として申告します。簡易宿所営業許可にかかる諸費用も開業費として計上可能です。

確定申告書B青色申告決算書
最重要

消費税確定申告書の提出と納税

課税事業者である個人事業主は、前年分の消費税確定申告書を税務署に提出し、消費税を納付します。インボイス制度への対応が重要です。

3月31日税務署

OTA手数料や清掃・リネン委託費用など、課税仕入れとなる経費について適格請求書(インボイス)の保存を徹底しましょう。

消費税確定申告書
重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

春休み期間中の臨時スタッフを雇用した場合も、給与からの源泉徴収を忘れずに行いましょう。

所得税徴収高計算書

4月

春の行楽シーズンで稼働率が上昇する時期です。多言語対応の予約システムや案内表示の確認、更新を行いましょう。

重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

新年度に入り、スタッフの増減があった場合は、給与計算システムの登録内容を確認しましょう。

所得税徴収高計算書

5月

ゴールデンウィークで一時的な繁忙期を迎えます。夏に向けたアクティビティ提携や周辺地域の情報収集も検討しましょう。

重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

ゴールデンウィーク期間中の売上を正確に集計し、今後のマーケティング戦略に活かしましょう。

所得税徴収高計算書

6月

梅雨時期で一時的に稼働率が落ちることもあります。施設点検や軽微な修繕を行う好機と捉えましょう。

住民税第1期納付(普通徴収の場合)

個人事業主の場合、前年分の住民税を年4回に分けて納付します。第1期の納付期限です。

6月末日市町村役場

税務署からの確定申告書の情報に基づいて住民税額が決定されます。納税通知書が届いたら内容を確認しましょう。

住民税納税通知書
重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

上半期の収支を確認し、下半期の経費見込みや資金繰りを計画する良い機会です。

所得税徴収高計算書

7月

夏の観光シーズンに突入し、予約が集中する繁忙期です。スタッフの増員やシフト管理が特に重要になります。

最重要

源泉所得税・住民税の納期特例納付(1〜6月分)

税務署から納期特例の承認を受けている事業者は、1月から6月までの源泉所得税をまとめて納付します。住民税も同様です。

7月10日税務署・市町村

ゲストハウスではスタッフの入れ替わりが多いため、給与計算が複雑になりがちです。漏れなく正確に集計しましょう。

所得税徴収高計算書住民税納入書
重要

労働保険の年度更新

前年度の労働保険料の確定申告と、今年度の概算保険料を申告・納付します。従業員を雇用している事業者が対象です。

7月10日労働基準監督署

夏季の短期アルバイトを雇用する場合、賃金総額に含めて計算する必要があります。

労働保険料等算定基礎賃金集計表

消費税の中間申告・納付(対象者のみ)

前年度の消費税額が一定額を超えた事業者は、中間申告・納付が必要です。年1回、3回、11回納付のいずれか。

課税期間の開始から6ヶ月後税務署

ゲストハウスの年間売上が1000万円を超え、課税事業者となった場合に発生します。事前に納税額を把握しておきましょう。

消費税中間申告書

8月

夏の繁忙期がピークを迎える時期です。外国人ゲストの増加に伴い、多言語でのコミュニケーション強化が求められます。

重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

お盆期間中の売上は特に高くなるため、正確な売上計上と帳簿付けを心がけましょう。

所得税徴収高計算書

9月

夏の終わりから秋にかけて、国内旅行客や修学旅行など団体客の予約が増える傾向にあります。

住民税第2期納付(普通徴収の場合)

個人事業主の場合、前年分の住民税を年4回に分けて納付します。第2期の納付期限です。

9月末日市町村役場

納税通知書を確認し、計画的に納税資金を確保しておきましょう。

住民税納税通知書
重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

秋の行楽シーズンに向けたOTAのプロモーションや地域イベントとの連携を検討しましょう。

所得税徴収高計算書

10月

紅葉シーズンや地域イベントで再び稼働率が上昇します。暖房設備点検など冬支度を開始する時期でもあります。

重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

インボイス制度導入から数年が経過し、仕入先からの適格請求書発行状況を再確認し、必要に応じて対応を促しましょう。

所得税徴収高計算書

消費税の中間申告・納付(対象者のみ)

前年度の消費税額が一定額を超えた事業者は、中間申告・納付が必要です。年1回、3回、11回納付のいずれか。

課税期間の開始から9ヶ月後税務署

消費税の納税額が高額になる場合、資金繰りに影響が出る可能性があります。計画的な準備が不可欠です。

消費税中間申告書

11月

冬の閑散期に入る前に、来年のプロモーションや設備投資の計画を具体化する時期です。施設の老朽化対策も検討しましょう。

重要

年末調整の準備

従業員を雇用している場合、年末調整の準備を開始します。扶養控除等申告書や保険料控除申告書などを従業員から回収しましょう。

12月末まで税務署

ゲストハウスでは外国人スタッフも多いため、年末調整の仕組みや必要書類について丁寧に説明することが重要です。

扶養控除等(異動)申告書保険料控除申告書
重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

冬の閑散期に入る前に、翌年のプロモーションや設備投資の計画を具体化する時期です。

所得税徴収高計算書

12月

年末年始の予約が入り始める時期です。大掃除や備品の入れ替えを行い、新年を迎える準備をしましょう。

最重要

年末調整の実施と源泉徴収票の発行

従業員の年末調整を行い、所得税の過不足を精算します。従業員には源泉徴収票を発行し、来年1月末までに提出します。

12月末従業員

年間の給与計算を締め、正確な源泉徴収票を作成しましょう。退職者にも発行が必要です。

給与所得の源泉徴収票

住民税第3期納付(普通徴収の場合)

個人事業主の場合、前年分の住民税を年4回に分けて納付します。第3期の納付期限です。

12月末日市町村役場

年末の資金繰りを考慮し、余裕を持った納税資金の確保が望ましいです。

住民税納税通知書
重要

源泉所得税の納付(月次)

従業員に支払った給与から源泉徴収した所得税を納付します。納期特例の承認を受けていない事業者が対象です。

翌月10日税務署

12月は決算月となるため、年間の売上・経費を確定させ、来年の納税予測を立てておきましょう。

所得税徴収高計算書

年間まとめ

ゲストハウスの年間税務は、年明けの法定調書・償却資産申告から始まり、3月の所得税・消費税確定申告が大きな山場です。その後も源泉所得税の納期特例納付や労働保険の年度更新、年末調整など、従業員を雇用している場合は特に多岐にわたります。OTA手数料やリネン代など、ゲストハウス特有の経費計上を適切に行い、インボイス制度への対応も考慮しながら、計画的に税務を進めることが安定経営の鍵となります。

確定申告に向けた準備スケジュール

1

会計ソフトへの入力完了と帳簿整理

2

領収書・請求書・通帳等の書類整理と不足分の確認

3

確定申告書の作成開始、必要に応じて税理士へ相談

4

所得税・消費税の納付および申告書提出

プロのアドバイス

  • OTA手数料は「支払手数料」または「広告宣伝費」として、売上総額から控除ではなく経費計上し、インボイス対応の適格請求書かを必ず確認しましょう。
  • 宿泊者名簿は旅館業法で作成・保存が義務付けられています。税務調査時にも事業の実態を証明する資料として活用できます。
  • リネン交換や清掃を外部委託している場合、その支払いは「業務委託費」として計上し、相手が適格請求書発行事業者か確認して仕入税額控除の適用を受けましょう。
  • インバウンドゲストの集客に要した多言語対応サイト制作費や翻訳費用は「広告宣伝費」として計上可能です。
  • 古民家再生やリノベーションによる大規模な改修費用は、修繕費か資本的支出かを判断し、減価償却資産として適切に計上するか税理士に相談しましょう。この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。

免責事項:この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。