自動車整備業の年間税務カレンダー【2026年版】
申告前提
個人事業主・12月決算を前提
月別イベント
24件
自動車整備業を営む皆様、日々の車両点検・修理、特定整備作業でお忙しいことと存じます。本カレンダーは、2026年の年間を通して発生する税務上の重要なイベントや届出の期限を一覧で確認できるものです。高額な特定整備設備投資やインボイス制度への対応、部品仕入れの棚卸など、自動車整備業特有の経理・税務上のポイントを押さえ、計画的な事業運営とスムーズな税務申告をサポートします。個別の税務判断については、税理士等の専門家にご相談ください。
1月
年末年始の稼働停止や、年明けの車検予約集中に備え、12月中の棚卸を正確に行うことが重要です。
源泉所得税・住民税の納付(前月分)
従業員がいる場合、前月分の源泉所得税および住民税の特別徴収税額を税務署と市区町村に納付します。納期特例の適用を受けている場合は、7月と1月にまとめて納付します。
前年分の法定調書提出
税務署に対し、従業員への給与支払報告書や報酬・料金等の支払調書など、前年分の法定調書を提出します。
償却資産申告書の提出
リフト、故障診断機、エーミング用ターゲットなどの事業用償却資産について、1月1日時点の所有状況を申告し、固定資産税(償却資産税)の課税対象を明らかにします。
高額な特定整備設備や診断機は償却資産に該当します。購入時期や取得価額を正確に把握し、漏れなく申告しましょう。
2月
3月の繁忙期に向けて、車検・点検の予約が入り始める時期です。確定申告準備と並行して効率的な業務を心がけましょう。
所得税確定申告準備
前年1月1日から12月31日までの所得について、青色申告決算書や収支内訳書の作成を開始し、確定申告書の作成を進めます。
部品・油脂類の棚卸資産の計上漏れや、高額設備投資の減価償却費の計算を再確認し、正確な利益を把握しましょう。
3月
今月決算と新年度準備が重なる時期です。年度末の車両入れ替えや車検需要も高まるため、業務と税務のバランスが重要になります。
所得税確定申告・納税
前年分の所得税確定申告書を提出し、納税を行います。青色申告特別控除65万円の適用には、期限内提出が必須です。
青色申告65万円控除の適用には電子申告または複式簿記での記帳が必要です。日々の記帳が重要になります。
消費税確定申告・納税
課税事業者の場合、前年分の消費税確定申告書を提出し、納税を行います。インボイス制度により、適格請求書発行事業者からの仕入れが仕入税額控除の対象となります。
部品仕入れや外注費について、適格請求書(インボイス)の保存を徹底し、仕入税額控除の適用漏れがないか確認しましょう。
4月
新年度が始まり、新車購入後の点検や年度初めの企業車両の整備需要が増加する傾向があります。
源泉所得税・住民税の納付(前月分)
従業員がいる場合、前月分の源泉所得税および住民税の特別徴収税額を税務署と市区町村に納付します。
5月
ゴールデンウィーク前後の点検・整備需要に対応しつつ、納税準備も意識する時期です。
源泉所得税・住民税の納付(前月分)
従業員がいる場合、前月分の源泉所得税および住民税の特別徴収税額を税務署と市区町村に納付します。
自動車税(種別割)の納付
事業で使用する車両(代車、引き取り・納車用車両など)に対し、都道府県から送付される納税通知書に基づき自動車税を納付します。
代車や社用車として使用している車両も対象です。プライベート利用分がある場合は家事按分を忘れずに。
6月
梅雨時期に入り、タイヤ交換やエアコン整備の需要が高まります。フロン排出抑制法に基づくフロン回収・破壊の記録も確認しましょう。
源泉所得税・住民税の納付(前月分)
従業員がいる場合、前月分の源泉所得税および住民税の特別徴収税額を税務署と市区町村に納付します。
7月
夏季休暇前の点検やエアコン修理が集中する時期です。従業員の熱中症対策も重要になります。
源泉所得税・住民税の納付(納期特例分)
納期特例の承認を受けている場合、1月から6月までの源泉所得税および住民税の特別徴収税額をまとめて納付します。
労働保険の年度更新
従業員を雇用している場合、労働保険料(労災保険・雇用保険)の年度更新手続きを行い、前年度の確定保険料と新年度の概算保険料を申告・納付します。
整備士の残業手当や資格手当も含めて正確に賃金を集計し、保険料の過不足がないように申告しましょう。
8月
お盆期間前後の車両点検・整備が増加する時期です。計画的な部品仕入れと人員配置が求められます。
源泉所得税・住民税の納付(前月分)
従業員がいる場合、前月分の源泉所得税および住民税の特別徴収税額を税務署と市区町村に納付します。
9月
秋の行楽シーズンに向けて、長距離移動前の点検需要が高まります。特にブレーキやタイヤの点検を促しましょう。
源泉所得税・住民税の納付(前月分)
従業員がいる場合、前月分の源泉所得税および住民税の特別徴収税額を税務署と市区町村に納付します。
個人事業税の第1期納付
都道府県から送付される納税通知書に基づき、個人事業税の第1期分を納付します。
10月
冬用タイヤへの交換作業が徐々に始まる時期です。スタッドレスタイヤの在庫や交換スケジュールの調整を開始しましょう。
源泉所得税・住民税の納付(前月分)
従業員がいる場合、前月分の源泉所得税および住民税の特別徴収税額を税務署と市区町村に納付します。
インボイス制度対応の再確認
適格請求書発行事業者としての登録状況や、仕入れ先からのインボイス受領体制を再確認し、必要に応じて見直しを行います。
部品商や外注先(板金塗装など)からのインボイスが適切に発行されているか、定期的に確認しましょう。
11月
冬タイヤ交換のピークを迎える時期です。降雪地域ではスタッドレスタイヤの需要が急増するため、人員配置や作業効率化が鍵となります。
源泉所得税・住民税の納付(前月分)
従業員がいる場合、前月分の源泉所得税および住民税の特別徴収税額を税務署と市区町村に納付します。
年末調整の準備開始
従業員がいる場合、年末調整の準備を開始します。扶養控除等申告書や保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書などの回収を進めます。
特定整備事業認証の更新確認
特定整備事業認証は5年ごとの更新が必要です。更新期限が近づいている場合は、地方運輸局長への申請準備を開始します。
更新には手数料や検査費用が発生します。事業継続に不可欠なため、計画的に準備を進めましょう。
12月
年末年始の長期休暇前の最終点検や、新年の車検準備など、非常に多忙な時期です。期末棚卸の計画を早めに立てましょう。
源泉所得税・住民税の納付(前月分)
従業員がいる場合、前月分の源泉所得税および住民税の特別徴収税額を税務署と市区町村に納付します。
年末調整の実施
従業員の給与から徴収した所得税の過不足を精算する年末調整を実施します。従業員への源泉徴収票の発行準備も行います。
フロン類算定漏えい量報告書の提出
フロン排出抑制法に基づき、対象となる業務用エアコンや冷蔵・冷凍設備からのフロン類漏えい量を算定し、国に報告します。(報告対象期間は前年度)
整備工場内の業務用エアコンや、部品保管用の冷蔵設備などが対象になる場合があります。忘れずに確認しましょう。
棚卸資産の実地棚卸
期末に、在庫として保有する部品、油脂類、消耗品などを実地棚卸し、正確な数量と評価額を確定します。これは売上原価の計算に不可欠です。
EVやADAS関連の高価な部品も増えています。品目ごとの管理を徹底し、棚卸漏れがないようにしましょう。
年間まとめ
自動車整備業では、高額な特定整備設備や診断機の導入、部品在庫の適切な棚卸、インボイス制度への対応など、一般的な事業とは異なる税務上の考慮点が多く存在します。本カレンダーを参考に、年間を通じた税務タスクを計画的にこなし、本業である車両整備に集中できる環境を整えましょう。特に、減価償却資産の管理と青色申告の特典活用が重要です。
確定申告に向けた準備スケジュール
年末調整の実施、棚卸資産(部品・油脂類)の実地棚卸、固定資産台帳の確認(減価償却費計算準備)
償却資産税申告書の提出準備、法定調書合計表の作成、前年分の帳簿整理と仕訳漏れの確認
青色申告決算書・所得税確定申告書の作成、消費税申告書の作成(課税事業者の場合)
所得税・消費税の確定申告書提出と納税(振替納税の場合は口座残高確認)
プロのアドバイス
- 特定整備設備の減価償却: リフトやエーミング用ターゲット、高額な診断機は固定資産として減価償却します。少額減価償却資産の特例(30万円未満)や、青色申告法人の場合は一括償却資産(20万円未満)の活用を検討し、適切な償却方法を選択しましょう。
- 部品・油脂類の棚卸: 期末には、在庫として残っている交換部品やエンジンオイル、ブレーキフルードなどの油脂類を正確に棚卸し、売上原価に計上することで、正確な利益を算出できます。EV関連の高価な部品も忘れずに。
- インボイス制度への対応: 車検や整備の依頼は法人顧客も多いため、適格請求書発行事業者として登録し、インボイスを発行できる体制を整えましょう。部品仕入れや外注先からのインボイス受領も確認が必須です。
- 代車・社用車の経費按分: 代車や引き取り・納車用車両をプライベートでも使用している場合は、家事按分を適切に行い、ガソリン代やメンテナンス費用を事業経費と私的経費に区分しましょう。
- 特定整備認証の更新費用: 5年ごとの特定整備事業認証の更新には、手数料や検査費用が発生します。これらは事業継続に必要な経費として計上可能です。計画的に予算を確保し、忘れずに申告しましょう。
免責事項:この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。