デザイン事務所の年間税務カレンダー【2026年版】
申告前提
個人事業主・青色申告(65万円控除)を前提としています。
月別イベント
18件
デザイン事務所を経営する皆様、日々のクリエイティブな活動に没頭する中で、税務のスケジュール管理はおろそかになりがちではないでしょうか。この年間税務カレンダーは、2026年のデザイン事務所に特化した税務イベントを月別に整理し、重要な申告・納付期限や届出のポイントを分かりやすく解説します。Adobe Creative Cloud利用料や外注デザイナーへの源泉徴収、インボイス制度への対応など、デザイン業ならではの注意点も盛り込みました。計画的な税務処理で、本業に安心して集中できる環境を整えましょう。個別の税務判断については、税理士等の専門家にご相談ください。
1月
年末進行で忙しかったデザイン案件が一段落し、年明けは税務書類の整理や確定申告の準備に取り掛かる良い時期です。Adobe Creative Cloudなどの年間契約更新時期も確認しましょう。
償却資産申告書の提出
固定資産税の課税対象となる事業用償却資産(高性能PC、ディスプレイ、デザイン用タブレットなど)がある場合に提出が必要です。
高額なデザイン機材は償却資産の対象となるため、漏れなく申告しましょう。
給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表提出
前年中に給与や報酬を支払った場合、その合計表を提出します。外注デザイナーへの報酬も対象となる場合があります。
イラストレーターやライターなど外部クリエイターへの報酬は、源泉徴収の対象となるケースが多いです。
消費税の確定申告・納付(前年12月決算法人の場合)
法人で12月決算の場合、前年分の消費税及び地方消費税の確定申告と納税を行います。個人事業主は3月が一般的です。
インボイス制度対応により、適格請求書発行事業者として登録している場合は特に注意が必要です。
2月
クライアントの決算期に合わせたデザイン案件が落ち着き、確定申告準備に集中しやすい時期です。不明点は早めに税理士に相談しましょう。
所得税確定申告の準備
青色申告決算書や収支内訳書の作成を本格化し、提出書類の最終確認を行います。領収書や帳簿の整理を完了させましょう。
デザイン関連の書籍購入費やフォントライセンス費用など、経費計上漏れがないか再度確認してください。
3月
今月確定申告の最終期限です。e-Taxでの提出や振替納税の利用で、手続きをスムーズに進められます。納税資金の準備も忘れずに。
所得税の確定申告・納付
前年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告と納税を行います。青色申告特別控除を適用するには期限内申告が必須です。
自宅兼事務所の家事按分を忘れず行い、通信費や光熱費、地代家賃を適切に計上しましょう。個別の税務判断は税理士にご相談ください。
消費税の確定申告・納付(個人事業主の場合)
個人事業主で課税事業者の方(前々年の課税売上が1,000万円超など)は、前年分の消費税及び地方消費税の確定申告と納税を行います。
インボイス制度下では、仕入税額控除を受けるために適格請求書の保存が必須です。外注先が免税事業者の場合、控除額に影響が出ることがあります。
4月
新年度が始まり、新たなブランディングやWebサイトリニューアル案件が増加しやすい時期です。事業計画と資金繰り計画を見直しましょう。
消費税の中間申告・納付(直前の課税期間の消費税額が48万円超の場合)
前年の消費税納税額に応じて、中間申告と納税が必要な場合があります。税務署から送付される通知書を確認しましょう。
デザインフィーが高額な場合は、消費税の中間納付が必要になることがあります。資金繰りを計画的に。
5月
ゴールデンウィーク明けは、新規クライアント獲得のためのポートフォリオ更新や営業活動に力を入れる良い時期です。上半期の事業実績を振り返りましょう。
自動車税(種別割)の納付
社用車を所有している場合に納付が必要です。5月初旬に納税通知書が送付されます。
デザイン事務所で社用車を持つケースは少ないかもしれませんが、該当する場合は忘れずに。
6月
上半期の事業実績をレビューし、下半期のデザインプロジェクト計画や設備投資(高性能PCの買い替えなど)を検討する時期です。
所得税予定納税額の通知
前年の所得税額に応じて、予定納税が必要な方に税務署から通知書が届きます。第1期と第2期の納付があります。
デザイン案件の受注状況に応じて売上が変動しやすいため、予定納税額が大きい場合は納税資金の確保を計画的に行いましょう。
7月
夏季休暇に入る前に、重要な税務手続きを完了させましょう。特に源泉所得税の納期特例は忘れやすいので注意が必要です。
所得税予定納税(第1期分)の納付
予定納税額の通知があった場合、その半額を納付します。納期特例を適用している場合は源泉所得税の納付も。
夏季休暇前の忙しさに紛れて納付を忘れないよう、早めに準備しましょう。
源泉所得税の納付(納期特例適用者:1月~6月分)
給与や報酬から源泉徴収した所得税を、1月~6月分まとめて納付します。外注デザイナーへの報酬も対象です。
納期特例を利用しているデザイン事務所は、上半期分の源泉所得税納付を忘れないように。外注先への支払いを再度確認しましょう。
労働保険料の年度更新
従業員を雇用している場合、前年度の労働保険料を精算し、新年度の概算保険料を納付します。
従業員を雇用し、社会保険や労働保険の手続きを行っているデザイン事務所は、漏れなく手続きしましょう。
8月
夏季休暇でクライアントとの連絡が取りづらくなる時期。内部作業やスキルアップ、長期休暇を活用したリフレッシュに時間を充てるのも良いでしょう。
年末調整の準備(従業員がいる場合)
年末調整に必要な書類(扶養控除等申告書、保険料控除申告書など)の準備を始めます。従業員への案内も行いましょう。
デザイン事務所で従業員を雇用している場合、年末調整は必須です。早めに準備を始めることで、年末の繁忙期に慌てずに済みます。
9月
年末商戦や来年度の販促物に関するデザイン案件が動き出す時期です。大型案件の受注があれば、納税額の見込みも変わるため注意しましょう。
所得税予定納税(第2期分)の納付
予定納税額の通知があった場合、その残額を納付します。納税資金を確保しておきましょう。
下半期の受注状況によっては、所得税の見込み額が変わることもあります。必要に応じて税理士に相談し、納税計画を調整しましょう。
10月
年末調整や来年の確定申告を見据え、経費計上漏れがないか中間チェックを行う良い機会です。Adobe Creative Cloudの更新月なども確認しましょう。
消費税の中間申告・納付(直前の課税期間の消費税額が48万円超の場合)
消費税の中間申告が必要な事業者は、再度納付期限が来ます。税務署からの通知を確認し、忘れずに納付しましょう。
年間の売上見込みと消費税額を確認し、適切な中間納付を行えているかチェックしましょう。
11月
年末商戦向けの最終調整や、翌年の事業計画を具体化する時期です。新規事業やサービス展開を検討するなら、税理士に相談する良い機会です。
年末調整(従業員がいる場合)
従業員から提出された各種申告書を基に年末調整を実施し、源泉徴収票を作成します。過不足金は12月の給与で調整します。
年末調整は従業員の税金計算に直結するため、間違いがないよう慎重に進めましょう。不明点は税理士に相談してください。
12月
年末に向けて、クライアントからの急なデザイン依頼や修正対応が増えがちです。来年の確定申告に備え、余裕を持って経費の整理を始めましょう。
源泉所得税の納付(納期特例適用者:7月~11月分)
給与や報酬から源泉徴収した所得税を、7月~11月分まとめて納付します。この年の最後の源泉所得税納付です。
年末の繁忙期と重なるため、外注先への支払いや源泉徴収の記録を早めに確認し、忘れずに納付を完了させましょう。
個人事業税の納付(第2期分)
個人事業税の納税通知書が届いている場合、第2期分の納付が必要です。通常8月と11月に通知されます。
デザイン業は個人事業税の対象となる業種です。所得が一定額を超えると課税されます。
年間まとめ
デザイン事務所の年間税務は、確定申告や消費税申告といった大きなイベントに加え、源泉徴収義務やインボイス制度対応、高額なデザインツールの経費処理など、専門性に応じた注意点が多く存在します。特に外注費の源泉徴収漏れや、ソフトウェア利用料の適切な期間按分、自宅兼事務所の家事按分忘れは一般的なミスです。年間カレンダーを活用し、計画的に準備を進めることで、税務上のリスクを回避し、クリエイティブな活動に集中できる安定した事業基盤を築きましょう。個別の税務判断は専門家にご相談ください。
確定申告に向けた準備スケジュール
年末に向けて収支を概算し、納税予測を立てる。Adobe Creative Cloudなど年間契約費用の確認や、高額機材の購入計画を立てる。
経費レシートや領収書の整理、クラウド会計ソフトへの入力状況を確認。外注費の支払調書作成準備や、源泉徴収の記録を最終チェックする。
確定申告書類の作成を開始。決算書の作成、各種控除書類(国民健康保険料、生命保険料控除など)の準備を進め、不明点は税理士に相談する。
確定申告書、青色申告決算書、消費税申告書を提出し、所得税・消費税を納付する。e-Taxや振替納税の利用を検討する。
プロのアドバイス
- 外注費の源泉徴収忘れに注意: イラストレーター、ライター、カメラマンなど外部クリエイターへの報酬は、源泉徴収の対象となる場合が多いです。支払い時に所得税(10.21%)を徴収し、納期特例を利用してまとめて納付する準備をしましょう。
- ソフトウェア利用料の適切な処理: Adobe Creative CloudやFigmaなどの年間契約を一括で支払った場合、その費用は支払った期間で按分し、「前払費用」として月々に経費計上する必要がある場合があります。月額払いの場合はそのままで問題ありません。
- 自宅兼事務所の家事按分を徹底: 自宅の一部をデザイン作業スペースとして使用している場合、家賃、電気代、インターネット通信費などを合理的な基準(使用面積や使用時間)で家事按分し、忘れずに経費計上しましょう。
- 知的財産権関連費用の勘定科目: 制作したロゴやデザインの商標登録費用は、広告宣伝費ではなく「繰延資産」または「無形固定資産」として計上します。誤った処理をしないよう注意し、税理士に相談してください。
- 高額デザイン機材の減価償却特例活用: 高性能PC、高解像度ディスプレイ、ペンタブレットなどの購入費用が10万円以上の場合、原則として減価償却資産となります。青色申告事業者であれば、30万円未満の少額減価償却資産の特例(一括償却)も活用できます。
免責事項:この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。