学童保育・放課後デイの年間税務カレンダー【2026年版】
申告前提
個人事業主・12月決算を前提
月別イベント
19件
学童保育や放課後等デイサービスを運営する事業者様へ。2026年の年間税務カレンダーをご案内します。児童福祉法や障害者総合支援法に基づく事業は、一般的な事業とは異なる会計処理や届出が求められる場合があります。特に、国保連からの給付費の取り扱い、児童指導員や保育士の人件費、送迎車両の維持費、療育教材費など、事業特有の経費計上には細心の注意が必要です。このカレンダーを活用し、年間を通じて計画的に税務処理を進め、健全な事業運営に役立ててください。個別の税務判断は税理士にご相談ください。
1月
年末年始の休業明けで、利用児童の健康状態や長期休暇中の様子確認に追われる時期です。新年度に向けた準備も始まります。
前年分の法定調書合計表の提出
児童指導員や保育士、外部委託の送迎員などへの報酬支払いをまとめた法定調書合計表を税務署へ提出します。年末調整済みであれば源泉徴収票も添付。
給与支払事務所等の開設届を提出している場合、従業員だけでなく外部委託のサービス管理責任者等への報酬も対象となります。
償却資産税申告書の提出
送迎車両、学習・遊具設備、事務用機器、内装工事などの償却資産について、1月1日時点の所有状況を市町村へ申告します。固定資産税の計算に必要です。
新たに購入した療育教材や遊具で取得価額が10万円以上(中小企業は30万円未満を即時償却可)のものも対象となる可能性があります。
2月
年度末に向けて、個別支援計画の見直しや新年度の利用児童募集活動が活発化する時期です。
所得税確定申告の準備
前年分の売上(国保連給付費、利用者負担金など)と経費(人件費、教材費、車両費、地代家賃など)の最終集計。会計ソフトへの入力漏れがないか確認し、青色申告決算書作成の準備を進めます。
児童発達支援・放課後等デイサービスの給付費は非課税売上として処理されているか再確認しましょう。
3月
今月年度末、春休み期間で利用児童の活動が増える時期です。新年度の職員採用や研修も進みます。
所得税確定申告書の提出・納税
前年分の所得税確定申告書を税務署へ提出し、所得税を納付します。青色申告特別控除65万円を適用するため、複式簿記による記帳と必要書類の添付が必要です。
送迎車両のガソリン代や修繕費の家事按分を適切に行っているか、最終チェックが必要です。個別の判断は税理士にご相談ください。
消費税確定申告書の提出・納税
課税事業者である場合、前年分の消費税確定申告書を提出し、消費税を納付します。給付費は非課税売上のため、仕入れに係る消費税の還付や控除に注意が必要です。
給付費は非課税売上ですが、送迎車両の購入や修繕、療育教材の仕入れなど課税仕入れもあります。適格請求書の保存状況を確認しましょう。
4月
新年度のスタートで、新しい利用児童の環境適応支援や保護者との面談が増えます。送迎ルートの見直しも検討される時期です。
新年度の事業開始・会計帳簿の準備
新たな年度の会計帳簿を開始し、日々の取引を正確に記帳します。児童の新規受け入れや進級に伴う個別支援計画の更新など、業務が多忙になりますが、経理処理も並行して進めましょう。
新しい療育プログラムや教材の導入を検討する場合、その費用が経費となるか、固定資産となるかを確認し、適切な勘定科目で処理します。
5月
ゴールデンウィーク明け、年間計画に基づいた療育プログラムの本格実施が始まります。
自動車税の納付
送迎車両にかかる自動車税(種別割)の納付期限です。忘れずに納付しましょう。複数の車両を所有している場合は、各車両の税額を確認してください。
リース車両の場合、リース会社が納付するため、契約内容を確認してください。
6月
梅雨時期で室内活動が増えるため、教材や遊具の点検・補充を行う良い機会です。
住民税特別徴収税額決定通知書の確認
従業員の住民税について、市町村から事業所へ特別徴収税額決定通知書が送付されます。6月から新しい税額での徴収が始まるため、給与計算ソフトの設定を確認しましょう。
児童指導員や保育士の給与計算は、手当の種類も多いため、特に注意が必要です。
7月
夏休み期間が本格化し、施設の開所時間が延長されることがあります。これに伴い、人件費や水道光熱費が増加する傾向にあります。
源泉所得税の納付(納期特例適用者)
従業員が10人未満で納期特例の承認を受けている場合、1月から6月までの源泉所得税をまとめて納付します。給与計算を正確に行い、過不足なく納めましょう。
児童指導員やサービス管理責任者への給与だけでなく、外部講師への謝礼なども源泉徴収の対象となる場合があります。
労働保険の年度更新
前年度の確定保険料と新年度の概算保険料を申告・納付します。児童指導員や保育士の給与実績に基づき、正確な賃金総額を計算し申告しましょう。
職員の入退社が比較的多い業種のため、賃金総額の計算間違いに注意が必要です。
所得税の予定納税額の減額申請
上半期の業績が悪化し、今年の所得税が前年より大幅に減少する見込みの場合、予定納税額の減額申請が可能です。税理士と相談して判断しましょう。
利用児童数の変動や運営費の予期せぬ増加があった場合、検討の余地があります。
8月
夏休み期間で利用時間が長くなり、おやつや食事、水道光熱費が増加傾向にあります。
所得税の予定納税(第1期分)
前年分の所得税額が一定額以上だった場合、今年の所得税の一部を前払いする制度です。税務署から送付される通知書に基づき、納付を忘れずに行いましょう。
事業の収益性が安定している場合は発生しますが、急な利用者減少等で経営状況が変わった場合は減額申請を検討してください。
9月
夏休み明けで利用児童の生活リズムの調整が必要な時期です。秋のイベントや療育プログラムの計画も進みます。
個人事業税の第1期納付
前年分の所得が一定額以上の場合に課される個人事業税の第1期分の納付期限です。都道府県税事務所から送付される納税通知書に従って納付しましょう。
障害児通所支援事業は、原則として非課税事業に該当するため、個人事業税はかからない場合があります。詳細は管轄の都道府県税事務所にご確認ください。個別の判断は税理士にご相談ください。
10月
運動会や遠足など、屋外活動が増える時期です。送迎車両のメンテナンス計画を立てるのも良いでしょう。
インボイス制度対応状況の確認
仕入れ先からの適格請求書(インボイス)の受領・保存状況を定期的に確認します。送迎車両のメンテナンス、給食委託、療育教材購入など、課税仕入れがある場合は重要です。
給付費は非課税売上ですが、課税仕入れの消費税を控除するためには適格請求書が必須です。特に新規の仕入れ先には発行を依頼しましょう。
11月
冬季休業やクリスマスイベントの準備が始まる時期です。
年末調整の準備
従業員(児童指導員、保育士など)から扶養控除等申告書、保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書などを回収し、年末調整に必要な情報を集めます。
資格手当や通勤手当など、給与体系が複雑な場合もあるため、従業員への説明や書類回収は余裕をもって行いましょう。
来年度の事業計画・予算策定
翌年の利用児童数の見込み、職員体制、療育プログラム、送迎計画などを踏まえ、事業計画と予算を策定します。税務上の影響も考慮して検討しましょう。
自治体からの運営費補助金や助成金の情報収集もこの時期に行い、予算に反映させます。
12月
年末年始の長期休業に向けて、施設の安全管理や利用児童の引き渡し確認が重要になります。年間を通じた会計帳簿の整理も最終段階です。
年末調整の実施
回収した書類に基づき、従業員の年末調整を行います。所得税の過不足を精算し、源泉徴収票を作成します。給与計算ソフトを活用すると効率的です。
サービス管理責任者など、資格手当が多い職員の年末調整は特に慎重に行いましょう。
源泉所得税の納付(納期特例適用者)
納期特例の承認を受けている場合、7月から12月までの源泉所得税をまとめて納付します。翌年1月20日が期限ですが、年内に準備を済ませておくと安心です。
年末に退職する職員がいる場合、退職所得の源泉徴収も発生します。個別の判断は税理士にご相談ください。
個人事業税の第2期納付
個人事業税の第2期分の納付期限です。9月の第1期と同様、都道府県税事務所からの通知書に従って納付します。非課税事業に該当するか再確認しましょう。
障害児通所支援事業は非課税の可能性があるため、誤って納付しないよう注意が必要です。
年間まとめ
学童保育・放課後等デイサービスの年間税務は、国保連からの給付費の非課税処理、職員の人件費管理、送迎車両や療育教材費の計上など、専門性が求められます。特に個人事業主の場合、青色申告を活用し、確定申告に向けて日々の記帳を正確に行うことが重要です。インボイス制度の影響は限定的ですが、仕入れに関する適格請求書の管理は必須。このカレンダーを参考に、計画的な税務処理で事業の安定運営を目指しましょう。
確定申告に向けた準備スケジュール
会計ソフトへの入力状況確認と未処理取引の解消
領収書・請求書・通帳の整理と証拠書類の最終確認
固定資産台帳の確認と減価償却費の計算
医療費控除や社会保険料控除など所得控除書類の準備
確定申告書の作成と提出、納税
プロのアドバイス
- 放課後等デイサービスの給付費は非課税売上として処理し、消費税の課税売上と明確に区別する。誤って課税売上とすると、不必要な消費税を納めることになる。
- 送迎車両のガソリン代や修繕費は、事業専用割合を家事按分で明確化する。私的利用分を経費から除外しないと、税務調査で指摘を受ける可能性がある。
- 児童に提供するおやつ代は「消耗品費」として計上し、職員の休憩時の飲食代とは区別する。職員分は福利厚生費や交際費として処理を検討する。
- 発達支援ソフトの利用料は「事務用品費」や「リース料」として適切に計上し、個別支援計画作成や国保連請求業務の効率化を図る投資を明確にする。
- 児童指導員や保育士の研修費用は「研修費」として計上し、職員のスキルアップと質の高いサービス提供への投資であることを明確にする。
免責事項:この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。