接骨院・整骨院の年間税務カレンダー【2026年版】
申告前提
個人事業主・12月決算を前提
月別イベント
8件
接骨院・整骨院を経営する個人事業主の皆様にとって、年間の税務スケジュールを把握することは非常に重要です。保険診療の療養費受領委任払い、自由診療の売上、高額な治療機器の減価償却、そして柔道整復師会へのレセプト請求委託料など、業界特有の経理処理が多岐にわたります。このカレンダーで2026年の主要な税務イベントを確認し、計画的な準備を進めましょう。個別の税務判断は税理士にご相談ください。
1月
前年分の法定調書提出
給与等の支払調書、報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書などを税務署に提出します。従業員や外部委託の柔道整復師がいる場合に必要です。
外部の柔道整復師に業務委託費を支払っている場合は、報酬等の支払調書作成の対象となることがあります。
償却資産税申告書の提出
1月1日時点で所有する事業用償却資産(土地、家屋を除く)について、その所在地の市町村に申告します。高額な治療機器や施術ベッドも対象です。
電気治療器、超音波治療器、施術ベッド、レセプトコンピューターなど、固定資産として計上している機器類を忘れずに申告しましょう。
2月
確定申告の本格的な準備期間です。レセプト入金状況の確認、保険診療と自由診療の売上区分、未収金の整理に注力しましょう。
この月の主要な税務イベントはありません。
3月
今月所得税確定申告
前年1月1日から12月31日までの所得について、税額を計算し申告・納税します。青色申告の特典を最大限に活用しましょう。
保険診療による非課税売上と自由診療による課税売上を明確に区分し、消費税の課否判定を誤らないように確認してください。レセプトの入金ベースでの売上計上を徹底しましょう。
個人事業税の申告
所得税の確定申告書を提出すれば、原則として別途申告は不要ですが、事業所得が290万円を超える場合に課税対象となります。
柔道整復師業は個人事業税の対象業種です。所得が一定額を超えると納税義務が発生します。
4月
この月の主要な税務イベントはありません。
5月
この月の主要な税務イベントはありません。
6月
この月の主要な税務イベントはありません。
7月
源泉所得税・住民税の納付(納期特例適用者)
従業員が10人未満で納期特例の承認を受けている場合、1月から6月までの源泉徴収した所得税・住民税をまとめて納付します。
柔道整復師や受付スタッフを雇用している場合、給与から源泉徴収した税金を納付します。納付漏れがないよう注意しましょう。
8月
個人事業税の第1期納付
前年の事業所得に基づいて算出された個人事業税の半額を納付します。納税通知書が届きますので、内容を確認しましょう。
9月
秋口は患者数が落ち着く傾向があるかもしれません。この時期に、レセプト業務の効率化や自由診療メニューの見直しなど、経営改善策を検討する良い機会です。
この月の主要な税務イベントはありません。
10月
この月の主要な税務イベントはありません。
11月
個人事業税の第2期納付
個人事業税の残り半額を納付します。納税通知書を再度確認し、期限までに忘れずに納めましょう。
12月
年末年始は休診となる院も多く、比較的患者数が減少する傾向にあります。来年の確定申告を見据え、年内の経費精算や固定資産の確認を行う良い機会です。
年末調整
従業員がいる場合、給与所得者の扶養控除等申告書などを回収し、年間の所得税を再計算・調整します。還付や追加徴収が発生します。
従業員の柔道整復師や受付スタッフの年末調整を正確に行い、源泉徴収票を速やかに交付できるように準備しましょう。
年間まとめ
接骨院・整骨院の年間税務は、特に保険診療と自由診療の売上区分、消費税の課否判定が重要です。高額な電気治療器や施術ベッドなどの固定資産は適切に減価償却し、レセプト関連手数料のインボイス保存も徹底しましょう。年末には従業員がいる場合の年末調整、そして翌年の確定申告に向けた資料整理が必須となります。計画的な準備で、健全な院経営を目指しましょう。
確定申告に向けた準備スケジュール
年間の売上・経費の見込みを確認し、不足している領収書や請求書がないか整理。特にレセプトの未収金状況を把握。
従業員がいる場合は源泉徴収票の発行準備、施術所の償却資産(治療器、ベッド等)の棚卸しと償却資産税申告書の作成。
会計ソフトへの入力作業を完了させ、試算表を作成。保険診療と自由診療の売上区分、消費税の課税仕入れの集計を最終確認。
必要に応じて税理士に相談し、確定申告書の作成に着手。青色申告決算書や所得税確定申告書B等の作成を進める。
確定申告書の内容を最終確認し、e-Taxまたは郵送で提出。納税額がある場合は、期限までに金融機関で納付。
プロのアドバイス
- 保険診療と自由診療の売上区分: 療養費受領委任払いによる保険診療収入は非課税売上、自費診療(整体、美容鍼など)は課税売上となるため、帳簿上で明確に区分し、消費税の課否判定を誤らないようにしましょう。
- レセプト関連手数料のインボイス対応: 柔道整復師会へ支払うレセプト作成委託料やシステム利用料は課税仕入れとなる場合が多いです。仕入税額控除を受けるため、適格請求書(インボイス)の受領と保存を徹底してください。
- 高額医療機器の減価償却: 電気治療器や施術ベッドなど、10万円以上の高額な医療機器は固定資産として計上し、耐用年数に応じた減価償却が必要です。個別の税務判断については税理士にご相談ください。
- 広告宣伝費の規制と経費計上: 柔道整復師法に基づく広告規制を遵守しつつ、Googleビジネスプロフィールや地域情報誌への広告費用は広告宣伝費として計上可能です。違反広告は行政指導のリスクがあるため注意が必要です。
- 交通事故治療の売上計上時期: 交通事故治療の自賠責保険からの入金は、保険会社からの支払通知があった時点や、施術が完了し請求が確定した時点で売上計上するのが一般的です。入金が遅れるケースも多いため、未収金管理を徹底しましょう。
免責事項:この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。