英会話教室の年間税務カレンダー【2026年版】
申告前提
個人事業主・12月決算を前提
月別イベント
24件
英会話教室を経営されている皆様、年間を通じて様々な税務イベントが発生します。特にネイティブ講師の雇用形態、教材費の仕訳、オンラインツール利用料など、英会話教室ならではの経理処理は多岐にわたります。この年間税務カレンダーでは、個人事業主・12月決算の法人を前提に、2026年に必要な税務上の手続きや提出期限を月別に整理しました。計画的な準備で、安心して教室運営に集中できるようサポートします。
1月
年末年始の生徒募集活動が一段落し、春からの新年度準備や体験レッスンの企画が始まる時期です。
前年分の法定調書提出
税務署に提出する法定調書(報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書など)の提出期限です。業務委託の外国人講師への報酬支払いも含まれます。
業務委託の外国人講師への報酬は、居住形態や租税条約の有無により記載内容が異なります。
償却資産申告書の提出
事業用の固定資産(土地・家屋を除く、例えば教室の備品や内装工事など)について、1月1日時点の所有状況を市町村に申告します。
教室の机、椅子、ホワイトボード、音響設備なども対象です。
源泉所得税の納付(前年12月分)
前年12月に支払った給与や報酬から源泉徴収した所得税を税務署に納付します。納期特例を受けていない場合です。
納期特例の承認を受けている場合は7月と1月にまとめて納付します。
2月
春休み前の体験レッスンや新規入会キャンペーンの準備で、広告宣伝費が増える傾向があります。
確定申告書類整理・準備開始
前年1年間の領収書、レシート、通帳のコピー、請求書などを整理し、確定申告に必要な書類を準備し始めます。会計ソフトへの入力も進めましょう。
教材購入費、Zoomなどのオンラインツール利用料、講師への報酬明細など、英会話教室特有の経費を漏れなく整理しましょう。
青色申告決算書作成
個人事業主で青色申告をしている場合、所得税確定申告書に添付する青色申告決算書を作成します。損益計算書や貸借対照表を作成します。
教材の期末棚卸資産の計上も忘れずに行いましょう。
3月
今月年度末で生徒の入れ替わりが発生しやすい時期です。教材の棚卸は正確に行いましょう。
所得税確定申告
前年1月1日から12月31日までの所得について、所得税の確定申告書を税務署に提出し、納税します。青色申告特別控除を適用しましょう。
自宅兼教室の場合の家事按分比率を再確認し、適切に計上できているか確認してください。
消費税確定申告
消費税の課税事業者である場合、前年1月1日から12月31日までの課税期間に係る消費税の確定申告書を税務署に提出し、納税します。
インボイス制度により、業務委託の免税事業者講師からの仕入れに対する仕入税額控除の扱いに注意が必要です。
4月
新学期が始まり、子供向けクラスの新規入会が増加する時期です。教材の発注も多くなります。
新年度の経理方針確認
確定申告を終え、新たな年度が始まるにあたり、今後の経費計上ルールや会計処理の方針を再確認します。特にインボイス対応は継続的に確認が必要です。
新年度の教材購入計画や、新しいオンラインツールの導入があれば、経費計上方法を事前に確認しましょう。
納税額の確認と資金計画
確定申告で確定した納税額を確認し、今後の事業運営における資金計画に反映させます。所得税・消費税の予定納税額も確認しましょう。
生徒からの月謝収入と講師への報酬支払いのサイクルを考慮し、キャッシュフローを管理しましょう。
5月
ゴールデンウィークで休講期間がある場合、月謝の調整や講師への報酬支払いについて事前に取り決めを確認しておきましょう。
前年度納税状況の最終確認
確定申告後の納税がすべて完了しているか、未納がないか最終確認を行います。地方税(住民税、個人事業税)の通知も届き始めます。
地方税の通知内容を確認し、納税計画に組み込みましょう。
6月
梅雨時期で生徒の送迎に配慮が必要な場合も。夏の短期講座やサマーキャンプの企画・準備が本格化します。
上半期の収益・経費分析
上半期(1月〜6月)の売上と経費の状況を分析し、目標達成度や今後の改善点を検討します。特に集客コストや講師報酬の費用対効果を見直しましょう。
夏の短期講座やイベントの企画費用と見込み収益を比較し、費用対効果を評価しましょう。
業務委託契約の見直し
外国人講師や日本人講師との業務委託契約書を定期的に見直し、報酬額、勤務条件、インボイス対応状況などが現状と合致しているか確認します。
講師の在留資格(就労ビザ)の更新時期も確認し、必要な手続きをサポートしましょう。
7月
夏休み期間の特別講座やサマーキャンプの準備で忙しくなる時期です。外国人講師の一時帰国によるシフト調整も発生しやすいです。
源泉所得税の納付(納期特例分)
納期特例の承認を受けている場合、1月から6月までに源泉徴収した所得税をまとめて納付します。従業員が10人未満の事業者が対象です。
外国人講師への報酬からの源泉徴収額も含まれます。計算漏れがないか確認しましょう。
労働保険料年度更新
従業員を雇用している場合、前年度の労働保険料の確定申告と、新年度の概算保険料を申告・納付します。
日本人講師・外国人講師問わず、雇用契約を結んでいる場合は対象となります。
個人事業税の予定納税
前年の個人事業税額が一定額以上の場合、都道府県から予定納税の通知が届きます。第1期分を納付します。
予定納税は税務署ではなく都道府県税事務所への納付です。
8月
お盆期間の休講や集中講座が実施される時期です。エアコンなど光熱費が高騰しやすいので、電気代の管理に注意しましょう。
夏期講習の収益計上
夏期講習やサマーキャンプなどの特別講座の売上を適切に計上します。教材費や講師への特別報酬なども確認しましょう。
一括で受領した受講料の計上時期(役務提供時か受領時か)を確認してください。
9月
秋の新規生徒募集シーズンです。TOEICや英検の対策講座の需要が高まり、関連教材の仕入れが増えることもあります。
インボイス制度対応の再確認
インボイス制度開始から1年が経過し、業務委託の外国人講師や教材仕入れ先との対応状況を再確認します。適格請求書の発行・受領状況をチェックしましょう。
免税事業者である業務委託講師からの仕入れについて、経過措置の適用状況も確認してください。
事業用資産の確認
教室の設備や備品(パソコン、音響機器など)の現状を確認し、来年の確定申告に向けた減価償却費の計算準備や、修繕計画を立てます。
高額な教材やデジタル機器の買い替えを検討する時期でもあります。
10月
ハロウィンイベントなど、季節行事による集客が活発になります。イベント関連の費用も経費として計上しましょう。
年末調整準備(従業員がいる場合)
従業員を雇用している場合、年末調整の準備を始めます。従業員から扶養控除等申告書や保険料控除申告書などを回収する時期です。
日本人講師・外国人講師問わず、雇用契約を結んでいる従業員が対象です。
11月
冬の短期講座やクリスマスイベントの準備が本格化します。寒くなるため、暖房費の増加に備えましょう。
年末調整手続き
従業員からの提出書類を基に、年末調整の計算と手続きを行います。源泉徴収票の作成準備も進めましょう。
給与体系や手当が多い場合は、計算が複雑になるため注意が必要です。
決算対策の検討
年間の収支見込みを立て、決算に向けて必要な経費の計上や設備投資などを検討します。小規模企業共済への加入も検討の余地があります。
来年度の教材一括購入や、教室の修繕などを年内に実施することで、その年の経費とすることも可能です。税理士に相談してください。
12月
冬休み期間の休講や集中講座。一年間の経理処理の最終確認と、翌年の準備を進める時期です。
年末調整(最終)
年末調整を完了させ、従業員に源泉徴収票を交付します。来年の法定調書提出に備え、最終確認を行います。
業務委託の外国人講師への報酬支払いについても、支払調書作成の最終準備を行います。
年内の経費計上漏れチェック
年内に支払った経費で、まだ計上していないものがないか最終確認します。消耗品費、通信費、広告宣伝費など、小さな費用も忘れずに。
オンライン会議ツールの年間契約料や、予約システムの月額費用なども再確認しましょう。
棚卸資産の確認
年末時点で販売目的で保有している教材(市販テキスト、自作教材など)の数量と金額を確定し、棚卸資産として計上します。
教材の仕入高と売上原価の計算に直結するため、正確な棚卸が重要です。
年間まとめ
英会話教室の年間税務は、確定申告を軸に、源泉徴収義務、消費税申告、そしてインボイス制度への対応が主なポイントです。特に業務委託の外国人講師への報酬支払いや、教材の仕入れ、オンラインレッスン環境の維持にかかる費用など、業界特有の経費計上には細やかな注意が求められます。年間を通して計画的に書類を整理し、期限内に正確な申告を行うことが、健全な教室運営の基盤となります。
確定申告に向けた準備スケジュール
年末の経費精算、領収書・請求書の整理、預金通帳の記帳を完了させる。業務委託講師への支払調書作成準備を開始。
会計ソフトへの入力、または手書き帳簿の集計を終える。固定資産台帳の確認と減価償却費の計算を行う。
青色申告決算書(または収支内訳書)を作成し、事業所得や不動産所得などを計算する。教材の棚卸も完了させる。
確定申告書を作成し、医療費控除や社会保険料控除などの所得控除を適用する。納税額を算出。
税務署へ確定申告書を提出し、所得税を納付する(3月15日まで)。消費税の納税義務がある場合は3月31日までに申告・納付。
プロのアドバイス
- 業務委託の外国人講師への報酬は、居住形態や租税条約の適用によって源泉徴収の要否や税率が異なります。契約前に必ず税理士に確認し、適切な処理を行いましょう。
- 生徒に販売する市販テキストは「仕入高」、教室で繰り返し使う教材や自作教材の印刷費は「消耗品費」として区別します。期末の棚卸資産計上も忘れずに。
- ZoomやSkypeの有料プラン、予約システム(RESERVA, Coubic)、学習管理システム(LMS)の利用料は「通信費」または「支払手数料」として経費計上できます。漏れなく計上しましょう。
- 外国人講師の就労ビザ申請費用や更新費用、行政書士への報酬は「支払手数料」として計上可能です。採用・定着に不可欠な費用です。
- 英検・TOEIC対策講座用の専門教材購入費や、模擬試験の実施費用は「教材費」または「研究費」として計上できます。生徒のニーズに応えるための投資です。
免責事項:この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。