訪問看護ステーションの税務・経理FAQ【2026年版】
FAQ数
20問
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訪問看護ステーションを運営する皆様にとって、日々の看護業務に加え、複雑な税務・経理処理は大きな負担となりがちです。介護保険・医療保険制度に基づく特殊な売上計上、人材確保のための人件費、頻繁な移動に伴う交通費、医療消耗品の管理など、訪問看護ならではの会計上の注意点が多岐にわたります。本FAQでは、訪問看護ステーションの経営者が直面しやすい税務・経理の疑問に焦点を当て、具体的な勘定科目や処理方法について解説します。適切な経理処理は健全な事業運営の基盤となりますので、ぜひご活用ください。
訪問看護特有の経費とその仕訳
従業員(看護師等)に支払うオンコール手当は、給与所得の一部として「給料賃金」で仕訳し、源泉徴収の対象となります。業務委託契約の看護師に支払う場合は「外注費」として処理しますが、実態が雇用契約と見なされないよう注意が必要です。個別の契約内容に応じて税理士にご確認ください。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.2529
税理士にご相談ください
この項目は個別の状況により判断が異なります。税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。
訪問時のガソリン代や駐車場代、公共交通機関利用料は「旅費交通費」として計上します。私用と事業用の区別を明確にし、走行記録(日時、訪問先、走行距離)や領収書を保管することが重要です。特に自家用車を使用する場合は、事業に使用した割合(家事按分)に応じて経費計上します。
利用者宅での処置や感染症対策に使用するガーゼ、消毒液、手袋、マスクなどの医療消耗品は「消耗品費」として計上します。購入時に費用として処理します。高額な医療機器の場合は減価償却の対象となることがありますので、取得価額に応じて判断が必要です。
質の高いサービス提供のために必要な、訪問看護に関する研修会参加費や専門書籍代、学会費などは「研修費」または「諸会費」として経費計上できます。ただし、事業に直接関係のない内容や、個人的な趣味・教養を目的としたものは経費として認められません。領収書を保管し、内容を明確にしておきましょう。
確定申告の準備と注意点
介護報酬や医療報酬は、原則としてサービスを提供した日が属する事業年度の売上として計上します(発生主義)。実際に国保連や審査支払機関から入金される日ではなく、サービス提供が完了した時点で収益を認識します。特に年度末のサービス提供分は、入金が翌年度になっても当年度の売上として計上が必要です。
出典: 国税庁 所得税基本通達36-13
事業規模や所得額によって異なります。所得が一定額を超えると、法人化した方が税負担が軽くなる可能性があります。法人化すると、社会保険への加入義務や設立費用、税務申告の複雑さが増しますが、信用力向上や事業承継のメリットもあります。将来的な事業計画を含め、税理士と相談して検討することをお勧めします。
税理士にご相談ください
この項目は個別の状況により判断が異なります。税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。
青色申告事業者には、最大65万円(e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存の場合)の青色申告特別控除が適用され、所得税の負担を軽減できます。また、赤字を3年間繰り越せる純損失の繰越控除や、青色事業専従者給与を必要経費にできるなど、白色申告にはない多くのメリットがあります。事前の承認申請が必要です。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.2070
自宅の一部を事務所として使用している場合、地代家賃、電気代、通信費などは事業で使用している割合に応じて経費にできます。これを家事按分と呼びます。例えば、事務所として使用する部屋の面積比や、事業で使用する時間の割合など、合理的な基準で按分します。明確な基準と記録が必要です。
税理士にご相談ください
この項目は個別の状況により判断が異なります。税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。
インボイス制度への対応
介護保険法に基づく介護サービスや健康保険法に基づく医療サービスは、消費税が非課税取引とされており、インボイス(適格請求書)の発行義務はありません。そのため、利用者に対してインボイスを発行する必要も、登録事業者になる必要もありません。これは訪問看護ステーションの主要な売上に関する重要な点です。
出典: 国税庁 適格請求書等保存方式の概要
家事援助や見守りサービスなどの自費サービスは課税売上となるため、消費税の課税事業者であればインボイス発行事業者として登録し、適格請求書を発行する必要があります。免税事業者の場合は、インボイス発行事業者登録は任意ですが、取引先が課税事業者であれば登録を求められることがあります。課税事業者への転換も検討が必要です。
税理士にご相談ください
この項目は個別の状況により判断が異なります。税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。
課税事業者である場合、事務所賃料、車両リース料、事務用品、システム利用料など、課税仕入れに関する適格請求書(インボイス)を適切に受領・保存することで、仕入税額控除を受けることができます。インボイスの記載要件を満たしているか確認し、電子帳簿保存法の要件に従って保存しましょう。
出典: 国税庁 適格請求書等保存方式の概要
業務委託先の訪問看護師が免税事業者である場合、その事業者からは適格請求書が発行されないため、仕入税額控除は原則としてできません。制度開始から経過措置期間が設けられていますが、将来的には控除が受けられなくなります。課税事業者として業務委託契約を結ぶか、契約形態を見直すか、税理士に相談することをお勧めします。
税理士にご相談ください
この項目は個別の状況により判断が異なります。税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。
減価償却の基礎知識
社用車は固定資産として「車両運搬具」に計上し、耐用年数(新車で6年、中古車は残存耐用年数による)に応じて減価償却を行います。減価償却費は毎年経費として計上され、購入費用を複数年にわたって償却します。中古車の場合、耐用年数の計算方法が異なるため注意が必要です。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.5404
訪問バッグや体温計、血圧計、パルスオキシメーターなどの携帯用医療機器は「器具備品」として計上し、取得価額が10万円以上であれば減価償却の対象となります。耐用年数は4年程度が一般的です。10万円未満であれば「消耗品費」として一括で経費計上できます。
介護・医療記録システム(ソフトウェア)の購入費用は「ソフトウェア」として計上し、原則として耐用年数5年で減価償却を行います。クラウド型の月額利用料は「通信費」や「支払手数料」として、その都度経費計上します。導入形態によって処理が異なるため、契約内容を確認してください。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.5461
青色申告事業者には、取得価額が30万円未満の減価償却資産について、年間合計300万円を上限として一括で経費計上できる「少額減価償却資産の特例」があります。これにより、購入した年の所得を大きく圧縮できる可能性があります。ただし、適用には要件があり、法人と個人事業主で適用できる期間が異なる場合もありますので、税理士にご確認ください。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.5408
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この項目は個別の状況により判断が異なります。税理士等の専門家にご相談されることをお勧めします。
必要な届出とスケジュール
個人事業主として開業する場合、「個人事業の開業届出書」を事業開始から1ヶ月以内に税務署へ提出します。青色申告のメリットを享受するためには、開業から2ヶ月以内(またはその年の1月15日まで)に「青色申告承認申請書」の提出が必要です。これらの届出は、税務上の特典を受けるための重要な手続きです。
出典: 国税庁 個人事業の開業・廃業等届出書
従業員(訪問看護師など)を雇用し、給与を支払うことになった場合、「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に提出する必要があります。これは、源泉所得税の徴収義務者となるための手続きです。提出期限は、給与の支払いを開始する事務所を開設した日から1ヶ月以内です。
出典: 国税庁 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
原則として源泉所得税は毎月納付が必要ですが、給与の支給人員が常時10人未満の事業所は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することで、年2回(1月〜6月分を7月10日、7月〜12月分を翌年1月20日)にまとめて納付できるようになります。資金繰りの負担軽減に繋がります。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.2502
事業用の固定資産(土地を除く、社用車、医療機器、事務機器など)を所有している場合、毎年1月1日時点の状況を市区町村に「償却資産申告書」として提出する必要があります。これは固定資産税(償却資産税)の課税対象となるためです。提出期限は通常1月31日です。提出を怠ると、過年度分が遡って課税される可能性があります。
出典: 総務省 償却資産と固定資産税
この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。
免責事項:この情報は一般的な参考情報であり、個別の税務判断を提供するものではありません。具体的な税務上の判断については、税理士等の専門家にご相談ください。